2022/03/02
第三部「痩せてからがスタート」
脂肪燃焼の働きをする細胞
第三部では痩せたその体を維持するために何をしたらいいかという話。 答えは冷えと運動です。
皆さんは体温調節と脂肪の関係をご存じですか?
脂肪細胞には白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞の2種類があります。聞いたことがある方もいらっしゃると思います。
白色脂肪細胞は中性脂肪をため込む細胞。
褐色脂肪細胞はため込んだ脂肪を熱エネルギーに変えて体温が下がりすぎないように調節する細胞。
そんなありがたい褐色脂肪細胞は首や背中、脇腹などに多く存在しています。
褐色脂肪細胞を最も多く持っているのは赤ちゃんです。赤ちゃんは自分で服を着たり、暖房をつけたりの体温調節ができないので、一定の体温を保ち、体を守るための能力として褐色脂肪細胞が多く備わっているのです。
しかし、成人になるにつれて褐色脂肪細胞はどんどん減少していき、赤ん坊の頃の4割程度になるといわれています。
そして褐色脂肪細胞の活動にも個人差があり高いい人はどんどん発熱して脂肪を燃やし、低い人は発熱できないので冷え性になりやすく、しかも太りやすい。
ただ、褐色細胞が少なく活動が低い人でも寒冷の環境に身を置くことで褐色脂肪細胞を活性化、数も増やすことが出来るといわれています。
(首や背中に多いからそこをたくさん動かすと褐色脂肪細胞が増えるというのは間違い!!)
気温10度の環境で生活すると1日400キロカロリーくらい消費することがわかっています。
寒い冬は外にウォーキングやランニングにいく、プールでのスイミングやサウナ&水ぶろなどもオススメです。
自分に合った方法を探しましょう。
脂肪と筋肉が熱を作り出す仕組み
運動をすると筋肉の細胞からアイリシンという生理活性物質が分泌されます。(イシリンと呼ばれることもあります。)
2012年に『ネイチャー』に掲載された論文で、このアイリシンが白色脂肪細胞を褐色脂肪細胞と似た働きを持つベージュ細胞(働きは同じだが完全な褐色脂肪細胞ではないので)に生まれ変わらせることがわかりました。
また、これも2012年に新しく発見されたのがサルコリピンという物質です。
サルコリピンは筋肉の中にあるタンパク質です。
筋肉の細胞の中にはカルシウムを蓄積している筋小胞体という袋があり、脳からの指令で筋小胞体からカルシウムが放出され筋肉が収縮するという仕組みで体を動かしています。
サルコリピンはこのカルシウムの放出時に熱を作り出して、エネルギーを無駄遣いするという事がわかっています。
ラットの実験では、低温の環境では褐色脂肪細胞があってもなくても体温は変わらなかったのに対して褐色脂肪細胞ありでサルコリピンがないマウスは体温が急激に下がるという結果が出ました。つまり寒冷時の体温調節は筋肉(筋肉内のサルコリピン)でも行われているという事。
運動してアイリシンを分泌し、サルコリピンを刺激することで体温は上がり、脂肪は無駄遣いされて太りにくい体を手に入れることが出来ます。
アイリシンもサルコリピンも筋肉量が多ければ分泌量は増えます。
筋肉を増やして痩せやすい体質を手に入れましょう。
結局、運動は大事という話!